「灰色の瞳」
作詞 REI
君は知っているかい 死人を行き返させる方法を
瞳を抉り(えぐり)硝子の瓶にいれて 海底の王に渡すんだ
するときっと彼は生き返るだろう という伝説
「君が海底の王まで行けるわけがない」小さな魚
いや人間が行けるはずがないと口々に言う魚たち
それでも彼女は行かなくてはならない 彼の為に必然的に
瓶の中で瞳が揺れる 瓶の中には気体と瞳
どうやら海底まであと少しのようだ
深海魚たちは魚とした形はしていない
まるで浮遊物のように泳ぐ
灰色の瞳をした海底の王
海底の王は存在するから伝説は本物なのだ
硝子の中の瞳を見ながら王は言う
「どうやらさまよいすぎたようです」
瓶の蓋を開けてしまえば中の瞳は上っていく
そして深海魚と合体して彼が生まれる
灰色の瞳をした少年 あの彼なのだろうか
それさえわからないから
彼女は眠りについてしまったようだ
また魚たちが口々に言う
「彼女は海底まで行ったが帰っては来ない」
伝説はそのままにおいておこう
きっとこの海のどこかで灰色の瞳をもった魚が
彼女を探していると思うから
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