ACE
作詞 夏心空蝉
嫌いになってしまったのは
好きで居続けることが怖くなってしまったから
特別だと思い込んでいたもの
実際取るに足らないものと 暴かれたあの日
戦場から逃げるように 平凡を装ってきたのに
その内苦しくなって 頭が「忘れたの」と責める
忘れたなんて頷けるはずもない
再び立ち上がるのなら どれくらいの覚悟がいる
誰一人支えてはくれない 孤独という舞台の上
世界は憧れを謳い続ける 選ばれし才能や逸材を
何を辿ればそれを掴めたのだろうか
いくつもの運命や環境に左右されては
臆病な命は嘆き叫びながら歌う
古びた始まり 微かで消えそうな声を震わせて
いつの間にか失くしていた
自分を誇る情熱は別物に成り果てていて
手遅れじゃないと密かに願うも
時間で開いた距離は あまりにも残酷なもの
諦めることで 何かを成し得られたというなら
この空白と釣り合う結果を「手にしたか」と心が問う
手にするどころか空っぽのままで
ここから這い上がるには どれくらいの代償がいる
追う度に遠ざかっていった 努力で縛られる今
目の前の何の変哲もない壁さえ 絶望に染まるほど高すぎて
何を間違えなければ越えられただろうか
最初から正解を選ぶ勇気もないのに
逃げ出せない命は逆境に震え歌う
歪んだ続き 自分にしか聴こえない弱い声で
誰かが称えてこその才能なら
頂点を勝ち取ってこその才能なら
そんな甘え続ける憧れなんて要らない
解っていたはずだ 手放せない原点を
そうだ、嫌いなふりをしていただけ
そうだ、失くしたつもりでいただけ
最初から一緒に歩いてきただろう
他の誰でもない自分自身という声で
それを夢と名付けるために どれほど今までを犠牲にした
誰一人支えてはくれない 孤独こそ引き換えた意志
まだ死ねないと溢れた涙は 時すら越えた情熱を脈打つ
希望と呼ぶには傷つき過ぎた信念
その美しさを才能と呼ぶ
明日に怯える命は強がりを歌う
終わらない終わり 微かでも確かな孤独の声
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