たとえ君が僕とのキスを
望んでいたとしても
僕はその期待にこたえて
あげることはできない
何故なら僕はゴミだから
君の初めてを僕は
受け止めることはできない
何故なら僕は弱いから

君を好きでいる1秒が
僕を憂鬱にさせる
「深く考えるな」と友は言う
だが愛せば愛すほど
自己嫌悪は深まり
僕の心は
溶かされた鉄のように
もとの形とは遠退いていく

僕はただ鼓動があればいい
それ以上は望まない
君はただ鼓動があればいい
世界の何処かで
それだけで僕の存在理由が
見出だせる

君が僕とひとつになることを
望んでいたとしても
僕はその思いにこたえられる
資格はない
僕の合意ひとつで
君の人生を左右する
それは吐き気がするほどの
猛烈な圧力を感じさせる

君が僕を思い続けた1年は
僕を狂気の人間にした
君のせいじゃない
僕の余りにも繊細で脆い
心のせいだ
ぼくでは君を幸せにできない
君の笑顔は
僕を狂わせていく
朝も夜のように黒い空
だが星も街灯も見えない

僕はただ鼓動があればいい
それ以上は望まない
君はただ鼓動があればいい
世界の何処かで
それだけで僕の存在理由が
見出だせる

君の鼓動は
雷よりも大きな音
君の鼓動は
冬の森よりも静か
君の鼓動は
地震よりも大きく揺れる
君の鼓動は
高級車よりも微小な揺れ

君の鼓動は
世界よりも…