あそこに見うるは 青春の 果敢無き跡をば残し逝く 華であるならよいけれど 己が君の為ならば 散ってしまふも其れでよし 散り散り舞うとは 愛哀し 云ふ事なかれ 我が君よ 我が君無くしてこの躯 朽果て流れし 華と生り 君死にたまふこと無かれ 梅の如く 淑やかに 椿の如く 艶やかに 華のやうには散らんとせ 春の暖か永久消えず 君死にたまふことあらば 永久に想ふ草と生り 宵待草に生り果てて