橙―オレンジ―
作詞 有栖 鵺
隣を歩くその顔が橙色に染まって見える
コイツは俺の親友なんだ
いつ何処で出会ったのか
どれくらい二人の家を行き来したのか
そんなことはもう忘れてしまった
俺の隣で笑うコイツの顔も いつか忘れてしまうんだろうか
何となくそんなことを考えたのは昨日のこと
だけどそんな俺の世界は一本の電話で壊れた
人はいつか消えてしまうんだって
正しく理解出来るようになったのはいつの頃からだろう
アイツは昨日猛スピードで走る鉄クズに体当たりされた
俺の前から突然消えてしまったんだ…
隣を歩くアイツの顔が橙色に染まっていたのを思い出す
俺と別れた後で一体何があったのか
そんなことは解らない
冷たくなったアイツを見て
何も知りたくなくなったんだ
俺にとってアイツはかけがえのない存在だった
アイツが消えるのはもっともっとずっと先の話
そんなふうに思っていたのに
今思い出すのはいつの思い出でもなく
夕日のせいで橙色に染まった
アイツの横顔 笑み 視線…―――
橙色の柔らかな光を浴びる度
俺はアイツを思い出す
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