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*knock*
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作詞 莎雪 |
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息も上手く出来ない僕は
痛みに噎せて引きこもった
窓を閉めきって光を遮って
ばい菌が外に漏れないよに
君にうつるといけないから
どうか扉は開けないでね
「逃げないで」って声さえ
拒むように 鍵 をかけた
胸焼けしそうに黒い言葉を
ひたすら吐いて丸めた背中に
震わすように響いたノックの音
思わず伸ばした指先は
冷たさに引っ込んだ
袖に染みた茶色い赤が
掠れる前にまた滲んだ
窓を閉めきって臭いが籠って
残りの酸素が汚れていく
君に見られたくはないんだ
どうか扉は閉ざしたままで
「出てきてよ」って声には
気づかぬフリで膝を抱えてた
鈍くなった痛み 抉る言葉を
ひたすら吐いて守った心に
触れるように響いたノックの音
握る指先 思い出す冷たさ
二度目の勇気はわいてこない
聴こえなくなったノックの音
聴こえてきたのは君の泣き声
抉った傷口が痛んで疼いた
甘えて突き放して甘えては拒んだ
ずたずたにして傷つけたのは
僕自身じゃなくて
この手首じゃなくて
この心、じゃなくて
思わず伸ばした指先は
冷たさを押し退けて
目が眩む程に刺さる光が
目蓋の闇に赤く焼き付いた
白い世界に流れたヒトシズク
無意識に伸ばした指先が
触れた 君のぬくもり
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