花火大会
作詞 ケロちゃん
八月の終わりに誘った
夕闇が巣食う横顔は
駅前の外れに引いた
赤いレールを抜けていく
下ろし立ての高い靴と
賑わう人ごみの中に
君だけを失くしそうで
少し怖くなった
どこかで遠くで聞こえる
破裂音と笑い声に
時々気を取られて
小さな肩を見失いそう
僕の手の平の中にある
君の小さな後ろ姿を
もう何度も人を避けて
誰より確かめていた
今年最初で最後の
浴衣姿だから
どう思うか聞くけれど
全然答えを聞いてない
「何となく聞いてみただけ」
はぐらかす君の態度が
余計にこの夜の事を
解らなくしている
夜空に上がった花火が
小さく消えていく間に
僕しか知らないキスを
もう忘れてとふざける
「来年もまた来たい」なんて
きっと僕に聞こえるから
ちゃんと忘れないでいるよ
そしてまた誘うから
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