春になったら言うね
陽だまりと木々と花びら
あたたかいものばかりに包まれるように


眠れない夜は今日を思い出して
上手な捨て方を褒めて
欲張りな時間を叱った

君と過ごす大きな短時間の中に
来ない未来とか戻らない昨日
切なくも贅沢な意味を

今がずっとがいい
来年もこのままがいい


春になったら言うね
すくめた首と荒れた指先
まだひとりで越せそうにないから



消えてしまった片方のピアスひとつでも
共に過ごした時間の欠片なのに
ついたため息は白く消えた

明日も会えないかな
指輪したままでいいから　ねぇ


春になったら言うね
陽だまりと木々と花びら
君がためらいなく手を離せるように

春になったら言うね
涙落ちないようにするから笑って
あたしがいなくなってもあの子の隣で

春になったら言うね
陽だまりと木々と花びら
あたたかいものばかりに包まれるように