あかずきん、そらへいく
作詞 ある◆ふぁ
赤い頭巾をかぶった少女
いわゆる『赤頭巾ちゃん』です
赤頭巾ちゃんは何も持っておらず
手ぶらで ただ 走っていました
赤頭巾ちゃんの隣にはお母さんが居て一緒に走っていました
大きな空は 太陽を隠してしまうくらい真っ黒でした
広がる大地は 赤頭巾ちゃんの頭巾のように真っ赤でした
空からは 雨や雷ではなく ばくだんが降ってきました
わたしたちの国は どこか外国と戦っているそうです
『せんそう』と言うのだと お父さんが教えてくれました
大きな音がするたびに赤頭巾ちゃんは寂しくなりました
また お友達が空へ行ったのだと思いました
でも 悲しくはありません
なぜなら もうすぐ自分も同じ道を行くと知っていたからです
赤頭巾ちゃんは早く友達に会いたいのですが
それを伝えるとお母さんは泣いてしまいました
『汚い大人でごめんね。
こんなの虚しいだけなのにね。ごめんね。
幸せにしてあげられなくて、ごめんね』
と お母さんはずっと謝っていました
赤頭巾ちゃんにはわかりませんでした
なぜ お母さんが泣いて謝っているのか
なぜ みんなみんな 居なくなってしまうのかが
赤頭巾ちゃんにはわかりませんでした
終わりはいつ来るかわからないのです
体になにかがぶつかって
ぎゅっと苦しくなったかと思うと
すぐにすーっと楽になって
赤頭巾ちゃんはニコニコと楽しい気持ちになりました
遠くの方で 友達が手を振っています
やっとみんなに会えたのです
『生まれ変わったら平和な場所に生まれようね』とみんなで約束しました
約束が叶ったのかは また、別の話・・・
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