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蝉とカラス
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作詞 ろいろい |
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小さくなった煙草の向こう
硬い雑巾みたいな曇り空に吸われる煙越しに
目に入ってきたのは 売れ残って酷く汚れた西洋画
人々が嫌いだと唸る 孤独なままの鋭利な夏
伏し目がちに蝉の抜け殻 何処かで命の叫びが聞こえる
コンビニから右腕に提げたビニール袋
缶ビールたちの衝突が不協和音
葉の息を潜め合うその間から 散らつく斜陽が嫌に腹立つ
ビルの屋上で足を踏み出した 清々しいくらいの藍色の制服の
彼女は腕を広げた 鳥になりたい目をしていた
誰もが終わりを確信しているのに
狡い程に姿を隠すその句点にどうせ誰も気づいちゃいない
明日を信じて 未来を信じて
蝉はカラスに啄ばまれる 自我と自我の衝突が
アスファルトを埋める血液となる
今叫ばなければ 寝首かかれるぜ
今歌わなければ 突き落とされるぜ
明日なんて待ってちゃくれないぜ
未来なんて待ってちゃくれないんだぜ
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