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おばけ
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作詞 ろいろい |
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吹き曝しのトタン屋根で口笛を吹いた
街の明かりは灯篭みたいだ
車が走るそこは川だ
遠くの鉄塔は神様だ
神様に捨てられた私は
今でも狭く息をしてるのだ
誰にも分からぬ歌を歌って
月にちょっと微笑んだんだ
私が住む家は広いから
どうしようもなく泣きたくなるのだ
ママもパパもいない夜は
いつもこうして外に出るのだ
誰も周りを通らないのは
消されてしまうのが寂しいから
誰も私を消さないために
ひとりひとり呪ったからだ
私はこの世界が好きなのだ
綺麗な空も 自由な大地も
光も 明日があることも 誰かと笑ってられることも 全部
だけど壊されたのだ それをみんな戦争と呼んだ
幼い私は分からなかった
足元を見たらママの温かい血が流れていた
パパはいなかった 憶えているのは
優しいパパの笑みではなくて
離れる日の勇ましい姿
私、なんでひとりぼっちなのだろう
みんな、どこに行ったのだろう
街は大きくなっても
私の手はまだ小さいまま
誰かに声をかけてほしくて後悔した夜もあった
会いたいと呟いて大声で泣き続けた日もあった
でも私、本当は知っていた
子供達が私をこう呼んでから
私は自分を認めたんだ
わたしは おばけ
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