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成り損なったんだよ
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作詞 ろいろい |
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人に優しくなりたかったから
嘘をつかざるを得なくなった
後悔ばかり沈む 海を照らす夕日に叫んだ
目を開けても閉じても 思い出すことは同じ
唯一 全て真実だった母のこと
幼い頃 素直なことが取り柄だった僕は
正直者でいられるために 人を傷つけた
真面目になれと言われ続けたから学び続け
得たものは多くの言葉
それはいつしか凶器になった
強くなれと言われたから 人を殴った
学校ではそれが目につき 停学になった
大好きな先生は 僕の成績を褒めていた
気がついたら僕を見下すようになった
なにが道徳だ その結果が僕だ
都合がいい糸の縫い合わせ 雁字搦めの人生
つまりは理想に成り損なったんだよ
成り損なったんだよ
今のままじゃだめだと 叱られたから
僕は上手くできた理想に歩幅合わせた
そしたら周りから愛されるようになった
だけど欲しくない愛も貰い続けた
我慢ばかりして捨てられずにいた
愛想でも笑って 嘘もついた
なにかされて言われても抵抗できずに
弱虫で嘘つきな僕になった
なにが道徳だ その結果が僕だ
隣で泣いてる奴を見離すのはお前らだ
つまりは誰もが理想を汚してるんだよ
成り損なったんだよ
久しぶりに会った昔の友達に
「まるで別人みたいだ」と淋しがられた
なにが残ってるかと探ってみたら
言葉だけが残っていた
歌を歌おう そう決めたけど
今のままじゃ違う気がしてやまない
昔の僕に戻ってはいい詩が書けない
悩みに悩んで 幾つもの日を越えて
素直であるべきだった僕は歌う
嘘だらけの偽善だらけの歌を歌う
魂を燃やしあげて声枯らして歌う
僕が僕を認めたいから歌う
涙が止まらなかった
なにが道徳だ その結果が僕だ
がらんどうな空気吸って 歌う歌は苦いだけ
つまりは人間に成り損なったんだよ
成り損なったんだよ
人に優しくなりたかったから
結局嘘ばかり歌って 讃えられた
こんな人間になりたかったわけじゃなかった
成り損なったんだよ
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