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夢
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| 作詞 ろいろい |
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ポプラの綿が舞うバスの中にて
押し込まれた学生どもの会話を聞きながら
はやく制服なんて捨てちまいたい僕の夢
浮遊しては初夏の暑さに消えて
髪を結わえ合ってる隣のクラスのあの子を
羨ましそうに見つめるショートカットのあの娘
僕が恋したあの娘 僕が好きなあの娘
突如耳に入ってきた 塾の宣伝をするアナウンス
「高校生の夢を応援します」夢ってなんだとふと思う
隣に座る学年一位が うとうとしながら持っていたのは
ぼろぼろになった数学の参考書
夢は因数分解で解かれる
ふらふらに飄々に 進む僕を笑うのは誰だ
毎日が犯人探し 目を光らせて いつでも指させるように
そう思いながら僕も笑っていたよ
いじめだらけの教室で
今があるから未来があるんだ そりゃそうだ
全くそうだ
でもそれなら僕らは潰さないといけない日常のドリームキラー
未来があるから今があるんだ それでも今を生きることを
諦めた奴の未来を誰が保証するつもりだ
幸せだと誰が保証するつもりだ
気がつけば最近 しつこく聞くようになった
「希望」も「光」も「可能性」も
家について目に入ってきた 綺麗に並んだ教科書たち
こんなんじゃまるで夢を見るように操られている人形だなって
詩人気取りで呟いてみては案外ダサくて自嘲した
勉強の合間に暇つぶしで 開いたスマホ することはない
適当に好みの娘を選んで 服を脱がせては虚無感に浸る
これもまた、一つの夢であり でもこれは認められない
何故なら夢は綺麗じゃない限り 嘲笑われるに値するから
僕だってなりたいものはあるんだよ だけどそれは叶うわけないって
夢を持てって言った教師に本気の目で蔑まれたんだよ
じゃあどうしたらいいんだよ なにが正解なんだよ
あなたが偉いとか言うような夢は学年一位のあいつが奪っていっただろ
他人のことばかり恨んで 忌み嫌って
本当は羨ましかったんだと弁明する力があるのなら
叶えてみせるよ あんたらの言葉の分だけ
叶えてみせるよ
今があるから未来があるんだ そりゃそうだ
全くそうだ
だからこそ僕はしがみついて本当はここまで苦しかった
未来があるから今があるんだ まだそんなの分からないけど
未来はどうせ遠いもんだ せめて今はバスに揺られ夢想する
ヒトの夢を「叶うはずない」と
誰が保証するつもりだ
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