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雑踏
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作詞 ろいろい |
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潰された空き缶と 地面啄む鴉
駅近スマホに顔を俯け 通りすがる学生
誰もが死んだ魚みたいな目をして急ぎ足なのは
街がもう暮れるからか はやく死にたいからか
自殺した少年を叱るように悟る大人たち
励まされも慰められもしないから飛び降りたんだろう
誰が悪いとか誰のせいとかそんなのは決まってる
この街のせいだ
科学者が目を光らせて揚々と語るのは
ついこの間完成した大型兵器のこと
戦地に駆り出されるあいつには彼女がいたけど
もう二度と逢えないかもしれないのに
彼女は万歳をした
世界を征服した電波に呑まれ生まれた
僕らの明日が綺麗なわけなどないけど
生きていかないといけない理由は
残酷な支配者などにはわからない
僕らにしかわからないこと
生きていくのだ
自殺した少年を嘆く大人たち
大型兵器はいつか世界を救うと
優しくあれと優しくあれば報われると
愛していれば愛されると
愛していれば
世界平和と
世界を征服する愚かな人間は
愛し合うことにしがみついてここまで肥大した
生きていかないといけない理由は
そもそも誰にもわからない
理由なんてないことだ
世界を征服する次の世代は僕らで
この街を歩くあいつもそいつも勇者になれると
救う者が多いほど無くすものは多いが
そうであれば初めて
僕らは強くなれる
「生きていかないといけない理由は」
理由などいらない ただ生きていくのだ
生きていくのだ
生きていくのだ
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