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蝉時雨
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作詞 ろいろい |
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爪噛む音と少年たちの騒ぐ声と
耳鳴りと母親の叱る声と
髪を毟る音とゲラゲラ笑うテレビの声と
インターホンの音と一斉に鳴き出した蝉時雨
段ボールを開ける音 昔の君の高い声
ビニールを掴む音 自動車の走る音
誰かの悲鳴と 誰かの咳と
枯れた僕の声の溜息と冷たいコーヒー缶
煙草とアスファルトと湿気には未だ慣れず
大人になったふりをして飲んだビールの苦さ
明日になればどうってこともねえよって
思い込んで入る布団の薄さ、寒さ
がらんどうな部屋の真っ暗な夜
大きな足音と少女たちの世間話と
舌打ちと親父の怒鳴る声と
肌を掻く音と水たまりを踏んだ靴音と
隣の部屋のドアを閉めた音とまだ死なない蝉時雨
あの中のひとつが死んだとて 僕には関係ない
可哀想と死骸を撫でても 僕らのほうが哀しい
こんなにも辛くて長いトンネルを抜ければ
もう三途の川の畔りで死と隣り合わせの道
間違えたこと正しかったことも解らなくなって
大人になったふりをしてるのはまだ幼いから
明日になればどうってこともねえよって
思い込んで眠る夢の苦しさ、虚しさ
東京にも今、夏が来ました
挫折と失ったアイデンティティーと胸を痛くして
大人になったふりをして無理やり作る笑顔
それでも僕は夢を叶えるために
ここまで一人で来たんだよ
東京は今日も晴れで切り取られた空は青いです
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