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赤い砂時計
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作詞 さばの味噌煮光線 |
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迫る8時の針が怖くて
りんご飴を買いに走った
「食べ終わってから帰ろうや」って
君に言わせるためだけに
まばたき一つで過ぎた2時間
遠い異国の標準語で
「このタイミングで食うのかよ」って
君があきれて笑ってた
盆と正月は帰るって じいちゃんに言ってたよね
いつもの出まかせだとしたら あたし 許さない
赤い砂時計を 少しずつかじってく
あたしのささやかなわがまま込めながら
オレンジの明かりが包み込む参道に
どうか どうか 彼をつなぎとめて
石段のすみに陣取った君
りんご飴に視線走らせ
「昔はだだっ子だったよな」って
また余計なことを言い出す
食べきれないでしょ ぴしゃり言われて
5歳のあたし ふくれっつら
それを笑った君がいる日々に
戻りたいの 茶化さないでよ
いくら年下だからって あたしもう子供じゃない
甘酸っぱさも赤い色も ちゃんと知ってるの
赤い砂時計を 少しずつかじってく
都会でもないのに 星が見えないよ
オレンジの明かりが包み込む参道に
どうか どうか 終わりを告げないで
「18になっても持て余すのか」
不意に横から手が伸びて
君は奪ったりんご飴を大きくかじった
いろんな意味で真っ赤になって「バカ」って叫んだ――
赤い砂時計を 少しずつかじってく
あたしのささやかなわがまま込めながら
オレンジの明かりが包み込む参道に
どうか どうか お願い
赤い砂時計を 少しずつかじってく
都会でもないのに 星が見えないよ
オレンジの明かりがなくなった参道に
どうか どうか 置いて行かないで
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