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盛かば
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作詞 青葉巽 |
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1.大の男って気にするのは
どう勝ったか どう行なったか 何を思ったか
ともがらとはどんどん口数を多めにしていくくせして
一人になると一瞬の決断に後悔を添えては離してみたりする
そう ともがらとの間でも 話は全く先へ進まずに それどころか留まって深くなるばかり
仲間をはぐれてその姿勢を女の子へ邪魔臭がらずに向けられたのなら
きっとそいつは人気を博す
2.大の男って意外なのは
あからさまに敬われると 噤んでしまうこと
「心のかづらでもとってみな」と放っては発言を撤回させようとして
実は「腹を割って話そう」という解釈に導かせてしまっている
それが裏の真意でも裏目に出た不本意でも 付き合ってやるのが筋なのさ
「かづらは年を召された方にこそ多いでしょうから更にあげます」と煽られれば
苦笑いの表情に つぼを打たれた鉄砲の笑い声
男という枠は 馬鹿らしくて 女の人につられて外れたくなる時もある
だけどその枠は 馬鹿正直をしわがついた袴で見せていく立派な容(かたち)です
3.酒の横で
猪のように交し合った話題は
日記にとめるほどのものではない
でも 隣で障子を隔てて話を小耳に挟んでいる人があれば
花散里 涙を流す人もいるのだろうな
そんな時は 隣の席も酔った人ばかりなのかもしれないけれど
誰も彼も 酔いが醒めても覚えていてくれるものだとしたら
それは本当の語り合いと涙だ
徳利 酒場
雄花 咲かば
宙吊りの豆電球が仄めかす 盛り場
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