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月の色
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作詞 少年アリス |
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時々 心が奪われる
細く、頼りない顔つきで
それでも常に何処かしらで
対話を試みている
衛星
僕が寄り添うことだって出来る
この身勝手さに 幸せをも抱ける程に
怖いよな
あらゆるものの〈最大限〉が
容赦なく僕を連れて行こうとする
僕は彼女の夫さながらに燃えて
それも嘘だったなら
灰にもなれずに流されていく
気が付くことも叶わない内に?
空笑いをしている間に
何も分からなくなっていくと云う
一人が箱を振れば振っただけ
弾き出された紙の分、誰かの星は失われるのだと云う
あのさ、
どうあっても変われないのが決まっている所で
足掻いて、蹴飛ばして、でも届かないままで力尽きること
いつだって望み通りに変われる力を持っているのに
決して実行してはならない、そこから ただ 空を臨んでいること
「選び抜くことなんかない」って
「慣れたくないこと、慣れられないことと、一緒に生きていくんだ」って
それを直ぐに言葉に出来ない恥ずかしさも 全部
全部 全部
僕らってのは 尽く―――
歩道橋の中頃なんかで
「そうなる為に生まれてきたんじゃなかった筈が、
今では疑いようもなく、そうする為に生きているんだ」
とか、
声を掛けた猫にフェンスを越えられた時
「でも、こうしてなら俺と並んで歩けるんだ」
とか、
天鵞絨(ビロード)のような花に触ってみたり
新聞配達の人を気まぐれに労ってみたり
それが僕だって思い知った刹那
家のドアハンドルに手を掛けて数秒
嘘みたいに泣いて 本当だ、って頷くんだ
覚悟して 玄関に足を踏み入れるんだ
時々ではないということ
誰もがそんな自分を欲しているのだということを
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