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車輪人間
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作詞 少年アリス |
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俺には俺が食べた物に責任がある
あんたが食わせてくれたものが
一時、 体内を巡り 血と肉を備えさせる
やがて薄まり 弱化し 気配を絶ち
更に言うなら 記録する媒介もないが
それは終わりまで俺を運んでいく
それは終わりまで 俺と関係する
フジツボ状に覆う 車輪
でこぼことしたざらざらを確かめもしないで
「自分は汚れている」だ? 笑わせやがる
関わりたくないのなら食うな
この国の何処にも 真新しい果実などというものはない
一度は皆全て 俺に平らげられたもの
そうとも知らないで あんたはまた車輪を増やす
恐ろしく下らない愚かさだ
落第生にも満たないあんたは
渦の高みから降りるどころか
車輪を回さないばっかりに
手の届く 粗悪な車輪を貪る
何かが生まれる幻影を見ては
遥かな恵みをまた踏み潰して
そんなあんたに 美は微笑まない
創造は垢 そして
代謝も出来ない 若い老人風情
車輪人間
ほら
あんたを食らった俺にはまた
大きく軋む車輪が出来た
あんたにも ―――そこだよ
ずっと指をさしていてやる
忘れるな 忘れられはしないことを
車輪人間
あんたは 俺だ
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