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ネックレス
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作詞 少年アリス |
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位置について 引き金を引いた
首から上のない頭で
火種がふっと 闇路を照らして
さながら昼下がりの市街地だ
ああ、静寂が無惨に 金切り声で もがれていく
逃げ惑う市民を片っ端から撃った
山積みになる 永遠に嵌まらないジグソーピース
勝ったんだ! 終わったんだ!
銃を棄て抱き合いかけた
戦友(とも)の両目がやにわに俺を睥睨したけれど
ねえボク? 見してみろ
後ろ手に隠した血みどろの腕を
ほら さあ請え 免罪ってやつをさあ
帰りの機内 吐き気を催すあいつを尻目に
目蓋を結んだ ぐうっと
喉笛を焦がしてやまない あの日
毒薬を噛んで死ぬ筈だった
ままならぬ息 家族が乳白色に溶け出す絵
からがら這い出した我が家の外で
俺を待ち構えてた 赤い視線が物語る運命
生きてんだ! ざまあみろ!
踵を返し 走り抜けた
周囲の憐れんでいる顔のおっかしいこと!
・・・そうだった 立ち止まる
痺れをぶりかえして 頭から倒れ
後から来た軍人どもに包囲された
多分 その時だ 落としてしまったのは
誰も悪くはない ただ ヒトという性なんだ
赦してやるよ おいで
首から下だけでも抱き合えはするから
着いたぞ 間違いない
故郷だ
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