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梅雨前線
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作詞 縷兎‡ |
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春風が運んできたのは、
輝かしい夏ではなくて、
僕らの心を沈ませる。
眩む炎天下で、手を翳す。
その前に。
薄暗いこの世界を、
抜け出そう。
今日も霖。
固く閉ざした雨戸の向こう、
絶えず空から降り注ぐ、
冷たい雫。
心に痛くしみる。
傷が開いてしまったようで、
目尻に落ちて頬を伝った。
窓を開け。
あとで 乾いてしまうよ。
涸れる前に。
水溜り、
跳んでみたら、水が散った。
自分を包んだ”殻”なんて、
放り出してしまえ。
もう、いいだろう?
自尊心なんて、
吹っ飛ばせ。
春風に誘われたのは、
美しい夏ではなくて。
僕らの心を沈ませる。
木陰の木漏れ日、手を翳す。
その前に。
薄闇のこの世界を、
抜け出そう。
今日も長雨。
固く閉ざした窓の向こう、
絶えず空から落ちてくる、
寂しい雫。
肌に刺さって。
痛みが戻ってしまったようで、
閉じた目蓋溢れこぼれた。
扉を開け。
あとで 乾いてしまうよ。
枯れる前に。
葉の水滴、
はじいてみたら、水が散った。
自分を包んだ”鎧”なんて、
剥ぎ取ってしまえ。
もう、いいだろう?
無駄なこだわり、
ふっとばせ。
「きっと、信じてて大丈夫。
暗い鎧戸、開けてみて。
霞がかった世界に、
輝きを、放て!」
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