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Rainy day
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作詞 少年アリス |
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降りしきる雨。
部屋の窓をかすめては、粒の鈍い光で濡らす。
ぴしゃぴしゃと跳ね上がって、
室内の雑音に上書きして。
政府が 年金を無駄に遣った。
そんなことばかり熱弁するニュース。
母親には 関心すらなさそう。
芸能人のスクープに騒ぎ立てた。
子供を殺した奴の裁判で、
死刑が決まって 俯く家族。
父親には 気に留める暇がない。
忙しなく、テレビの前を横切った。
ぼくらの足裏は歪んでしまって
地面の異質さに驚きもしない。
世界の形と合わせた結果。
でも、そこは ぼくらが耕した大地。
どうしようもない時間の中で
「世界を変えたい」、
ぼくは思う。
つまらなくなんかない、
極めて非日常な流れを。
世界はどうかしてる。
立ち入り禁止の屋上。
授業をサボり、親友と見渡した街。
明るみを約束されていた筈の未来で、
彼はそこから飛び降りた。
ぼくに残された 一通の便り。
「何も話せないまま・・・ごめん。」
マスコミに泣き叫ぶ人々。
無自覚の加害は無様だ。
どうにもならない昨日に
「世界を変えよう」、
ぼくは誓う。
たった一人で立ち向かうとして、
脅威の存在などいない。
右から左へと逃げてしまう、
そんな悲劇の起こらない場所。
左から右へと忘れてしまう、
そんな安い感覚ではない世界。
漠然と描いてみた。
何故だか、涙がこぼれ落ちた。
ぼくの十本の指達は
何かを掴んでこれただろうか。
世界の故障を感じ取った日。
何を基準に それを想ったのだろう・・・。
君は味方になってくれるか?
「無神経な大人から叩きのめそう」という作戦なんだけど、
違うって、ドアの向こうから抗議されてる。
改革者は驀進するだけと考えるなかれ。
ドアを開けると、
そこには ぼくが立っていた。
ぼくは、ぼくの声にも気づけなかった。
どうかしてる。
どうかしてる。
己が罪を否認する人、
盗んだものを隠す人、
戦争をしようと決める人、
事件を遠くにやっている人。
ぼくらの前足は変形しすぎて、
地面での役割を失ってしまった。
巻き戻せない歴史の果てで
「世界を変えたい」、
ぼくは思う。
犠牲を払ってでもやるべきことを。
極めて非日常な流れを。
降りしきる雨。
誰にも等しく与えられる恵みを、
人は 傘で防いでいる。
変えなくちゃ。
行き急ぐ。
あの黒い雲を追って、
君を見て、
ぼくも。
マンションの口内、
濡れていないのを理解した。
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