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雛菊
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作詞 蘇季 |
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傷口曝せば
ノイズが抉る暗い闇を
僕らはどうやら
走り抜けないとならないらしい。
それを知った僕は
横切る人の群れを眺めて
そんなに急いだって何も変わらないよと
諦め顔で泣くことすらやめてしまった
正しい事じゃないって知ってるのにさ。
「もういいよ。」
突き放すことだけを覚えてしまった幼い夢に
現実は心臓(はーと)貫くように
「知ってる人に似た君を探す」
ああ、もういいよ。
僕たちはガラス越しでしか見つめられない。
傷跡が残った
ノイズが歌う暗い道を
僕らはどうしても
走り抜けないとならないらしい。
そうだと気付いた人たちは
立ち止まった僕を嗤って
そんな生き方しかできないものかと
優越感に浸った瞳で笑ってる
正しい事なんてどこにもないのにさ。
「もういいかい」
目を逸らした、いくつかの影だけが僕の本性を知っていた。
それでいいよ
それだけの人間だった。なんて割り捨てた
ありふれた物語のひとつだけ
僕を貫くなら
それは君であってほしかったと願ってしまう
僕の性と我儘。
「あああああああああああああああああああああ」
黒く染まって散る花の景色が
灰になる瞬間を魅せる
足下の深紅が
君にみせる僕の最後。
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