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twinge
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作詞 蘇季 |
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雨の中走り出した 現状から逃げ出したくて
止まない雨があるのなら
考えながら
稲光に怯えていた。
ふとよぎる残像に
遠い誰かの面影を見ていた。
鏡の奥に閉じこもったまま
泣いている君に手を伸ばそうとも
届かない。
素直じゃないのは元からだって笑うから
伝え方さえわからなくなる
気に留めることなく進む世界に
溜息だけしか出てこなくて
動けなくなる。
ならいっそ
硝子を叩き割って
ここから君を連れて出していこう
これ以上悲哀の雨にのまれないように
壁に掛けられた仮面と漆黒の翼を纏って
闇の中を走り抜けた
たとえ僕を覚えていなくとも
何度も君を探しだすだろう。
どんなに夢物語だと思われたって
笑われたって
本当の事だから。
「だから、君を見つけられただろう?」
走りつかれて眠る横で
僕は今を奏でいよう
答えられなかった問いの代わりに
笑いかけた 儚い月灯りの下で
視界が白黒に切り替わった瞬間
世界は二つに引き裂かれた
どうしたら
離れ離れにならなかったのだろう・・・
風にただ問いかけていた
ゆらりゆられてながらも
捜し続けた
もう何処にもいないのに・・・?
闇にまた視界は捕らわれる
気付けば傷だらけで横たわる君がいた。
真黒に染まった僕に
笑いかけるから
何も言えなくなる。
張り裂けそうな思いを伴いながら
この両手から消えていかないように
仮面の奥に素顔隠して
手を握り締めていた
意識は徐々に遠ざかる
漆黒の世界から深紅へと変わって
少しずつ時間は止まっていった。
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