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パピヨン
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作詞 思 |
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桃色の爪先が 僅かに軋む衣擦れの音
夜の帳をひと潜り スポットライトに照らされて
くちびるにクランベリー しびれるように悪戯な味
甘い香りに誘われ 窓を飛び出し何処へ行こう?
おやすみなさいと蓋をした おもちゃ箱は夜の街
ひっくり返したら 賑やかな声がまだ鳴り響いている
綾錦をひらめかせ
駆け足で転げ落ちていくプレステッシィモ 天蚕糸縺れる
蝶々結びが絡まって 繋ぎ止めてるそらの月
闇に舞うパピヨン 深緋に唇を寄せて
境界なく更ける宵空に 軽やかな音が響くまで 眠らない
桃色の爪先に ひらりと散った濡れ羽の色
つたう白露口づけて 揺蕩うやわい薄衣
耳朶にミ・ベモール 内緒話のリーベスリート
甘い言葉に誘われ あかいてのひら 潜り込む
おやすみなさいは言わないで トレモロが揺れ動く
物語の終わりを 認めたくないと愚図る 子供のように
焚き物を燻らせて
野分に託す言の葉は 残り香となり そらの彼方へ
蝶々結びを解いたら 薄れ始めた銀の月
闇に鳴るパピヨン 静かに瞳を伏せて
境界なく続く旋律に 耳を傾けてほろほろと
眠ろうか
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