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虹と君と。
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作詞 天愛羅 |
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三年前のこの季節
君は突然あの世へ去った
そういえばあの日も
雨の振った後の空に
虹が架かっていたっけ
君が昇っていく架け橋のよう
そんな風に思っていたんだ
理科室の隅の方で
つまらない授業を聞きながら
ノートに落書きをしていた
ふと窓の外を見ると
さっきまで晴れていた空に
雨がザアザアと降っていた
こんな日はなんだか憂鬱になる
心のどこかにぽっかりとあいた隙間が
なぜだろう
ズキズキと痛みを増していった
君の体温 君の笑顔
今はもうノートの隅にもないけど
今でもふとした瞬間に思い出すんだ
君と過ごした時は
きっと形を変えていくだろう
寂しいよ 寂しいよ
そんなことを言ったら
君を困らせるだけだよね
判ってる
だけど君を忘れてしまいそうで怖いんだ
この一瞬一瞬に
君が消えていくような・・・
そんな感覚
先生の怒鳴り声で我にかえった
窓の外はもう
さっきまでの雨が嘘だったかのように
虹が架かっていた
どこまでも続く虹の先
理科室の隅からはべスポジ
まるで僕のためにやってきたかのような
大きくて果てしない虹だった
あの日とおんなじだよ
いつか誰かが言っていた
あの世に行ってしまった人は
虹の架かったその日
その虹を架け橋に
この世界に戻ってくることができるんだって
ねぇ君はこの虹を渡ってきたのかな
僕はここにいるよ
君は僕を憶えている?
僕はまだ君のことが忘れられないや
そんなことを思いながら
この虹が消えてしまわぬようにと
鉛筆を強く握り締めた
ねぇ消えないで・・・
どこにも行くなよ・・・
そんな願いも叶うことはない
そして授業のチャイムがなると同時に
君を乗せた虹の架け橋は
まるで存在しなかったかのように
あの空へ消えていった
虹と君
また逢う日まで
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