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涙
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作詞 紋白蝶 |
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ぽつり.と地面に染みが出来る
ぽつり.ぽつり
やむことなく流れる雨は
誰に知られることなく消えていく
誰かを思って流すそれは
誰かの痛みも悲しみも
誰かの為に背負って落ちる
誰かはそれを知らないままに
ぽつり.ぽつり
ずっと流れている
時は止まったように
風さえも流れないで
ただ静かにそれを見ていた
青い空にはきっと雲ひとつ無いのだろう
誰かの言葉に傷ついた心は
慰めの言葉すら知らずそれを流す
流す人は零れ落ちるそれを
ふき取る事もせず
隠そうともせず
ただ流しつづけた
それが赤く染まっても
暗くなった道にも
誰もその人の涙を知る者はいなかった
ぽつり.ぽつり
流し流して傷を癒す
声はあがらない
ただ流れて
傷ついたままに
感情のままに
ずっと流しつづけた
人は傷ついた人を知らない
誰も知ろうともしなかった
流れる涙を知らない振りで
いつも駆け足で去っていった
人は一人だった
人はただ悲しかった
誰も慰めも気休めもくれなかった
流れる涙は知っていた
人は傷を癒せない
誰も傍にいないから
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