|
|
|
早熟な果実
|
作詞 トミノ |
|
まだ空が暗闇に包まれている午前四時ごろ
均一の寒さの中 それでも二人は裸で布団に包まっていた
恐らく 二人とも起きていたのだけれども
暗闇に目が慣れてしまわないように 目を開けて また閉じて
狸寝入りはどこまでも
恥ずかしい そう思わないほうが可笑しいかもしれない
手を繋ぐのに一週間 キスするのに半年かかった二人が
その 早熟な行為の後で 背中合わせで眠っているのだから
痛みも快楽も 照れも恥も感情も波も笑顔も幸せも後悔も
お互いの心全てを繋いだ後で
「愛してる」
そんな台詞を最後に お互い眠りに堕ちたふりをしている
狸寝入りはどこまでも
いつか この時が来るとわかっていて お互い口にはしなかった
待ち望んでいた そう言えばいいのかもしれない
お互いの全てを ずっと知りたかったのだから
お互い 大人になるまで待てなかったけれど
海の見えるホテルを借りるまで待てなかったけれど
それは 行為の後と同じ台詞で
「愛してる」
許してもらいましょう
|
|
|