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独眼童女(ひとつめこぞう)
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作詞 鬼之子 |
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遊び疲れた夕暮れの帰り道
鳴く蜩(ひぐらし)は明日には還(かえ)るのだろう?
ほら! 見て! 赫々(かっかく)とした満月(つき)が嘲(あざけ)てる
その隣では糠星(ぬかぼし)が呵々大笑(かかたいしょう)と指差す
鬼さん! 此方(こちら)! 夢皆無沼(ゆめなしぬま)へ?
天壌無窮(てんじょうむきゅう)とだらだらと続く
叶わない事ではなかろう?
何が正しい夢で可笑(おか)しい幻想(ゆめ)とか勝手に決めるな!
信天爺(あほうどり)ども!
目隠しされた雲霞(うんか)が復唱(うた)う
「綺麗な物にしか興味はない」
夢喰らう貘(ばく)ですら遠慮するのに
蹴り飛ばすような罵詈(ことば)を吐き捨てる
盲(めくら)心象 有耶無耶の虚飾
綺麗な事には興味はない
人の心は鬼が喰らい
そして その躯を私が食(くら)う――――
養鯉(ようり)は口を開けたまま
投げつけられた腸を食し
目の前に広がる仄暗い世界に慟哭する
『戯(たわむ)れをお止めなさい!』
羅生の鬼が一言ほざく
――塵芥(ごみ)なのでしょうか?
見えない心は襤褸(らんる)が如(ごと)く
捨てられては求められる……
それこそ虚飾の戯れでしょう?
――延々と続く罵り輪廻は誰彼構わず引き摺り込む!――
目隠しされた雲霞が復唱う
「綺麗な物には興味はない」
夢喰らう貘ですら遠慮するのに
蹴り飛ばすような妄想(ことば)を吐き捨てる
盲心象 有耶無耶の虚飾
綺麗な事には興味はない
人の言葉は鬼が拾い
そして その愛を私が拾う――――
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