|
|
|
ワインレッド
|
作詞 鬼之子 |
|
悲しみから逃げる様に赤い満月が血の色をしたワインを
忘れさせてくれる様に『愛おしく静かに飲み干しなさい』と
天高く上った鳥は腐乱の状態で羽を休めて
乱心の催しと話馬鹿げて 貪り合って口ずさむ
静かに嘆く 椿は落ちて 呪詛を謳い朽ち果てる
連想出来ない 人の脆さを見捨てるかの様に
夜空に輝く赤い満月をこのワイングラスに浮かべて
飲み干せば この静寂な世界に彩りを塗りたくる
間違いはない 正解もない 妄想はない 現実もない
苦しみはない 喜びもない
そんな地上を見過ごして 悠然と歩く
そうやって見下して 嘘を本当に仕立てる勧善懲悪が
『世は官尊民卑』と戯言を吐き
甲高い声で龕灯を振り回す
「今宵の満月は末恐ろしい」と狐の嫁入り 蛙鳴蝉噪
終焉の淵で啾々と論い 結論は出ない
夜空に輝く赤い満月をこのワイングラスに浮かべて
飲み干せば、この残酷な世界に別れをしましょう
涙は要らない 言葉も要らない 希望も要らない
世界も要らない 夜も要らない 朝も要らない
ただ必要なのはあなたと一緒にいれる時間だけ
結局 夜空の満月が赤いのはこの世が継ぎ接ぎの世界だから?
見たくないからそうやって 嘘を吐き続けるのでしょ?
強い人なんか存在しないから 皆弱くて寂しがりや
それなのに強がって鳴き続ける 騒がしいくらいに
夜空に吹いた 凪いたはずの風はいつしか私を
飲み込んで この寂寞を悔やんで 別れをしましょう
月に鳴き頻る 綺麗なお狐様は堵列を抜け出して
白露の化粧水を塗り付けて 匂いを消した
夜空に輝く赤い満月に見守られながら探して
見つけた時は屍蝋に灯した 送り火 痴れ言を口遊む
埋もれた会話 薄れた景色 肩まで満ちた細流
身を任せて 双眸を塗り付けて 息を止め 悠然と歩いている
夜空に輝く赤い満月をこのワイングラスに浮かべて
飲み干せば、この残酷な世界に別れをしましょう
涙は要らない 言葉も要らない 希望も要らない
世界も要らない 何も要らない 何も要らない
ただ必要なのはあなたと一緒にいれる時間だけ
|
|
|