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蜩
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作詞 鬼之子 |
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深い森の奥底に腐った羽根 一輪焼き付けて
鴉鳴き喚く 幽谷に消える 月夜 天の川
翼々と選び抜かれた 蝋燭の明かりは風前の灯りじゃ
帰れ・・・ 帰れ・・・ 暗くなる前に・・・
影が独りでに遊び出した・・・
手首・足・顔・・・ 切り裂いて 爛れる 脊髄は膿の香り
飲み干すがてらに『かなかな』と金切り声で笑う
縊木(くびりき)に吊るした 顔無し巫女は
犯された 地上をケラケラと高笑う
「聳(そび)える 漆黒の闇夜は貴様等が
延々 壊して 即刻 地の獄へと誘いませう」
唇 掻き毟って 鈴虫徘徊・・・
腐った 蜩の躯は小鵞鳥笛(オカリナ)の様に鳴り響く
影を追いかけて来た娘は 足を滑らせて 首を落とす
流れる川下に浮かぶは 吐き気催す 朱色の染井吉野
肩・胸・腰・・・ 掻っ切って 流れる 腸物(はらわた) 蟒蛇の様に
虚ろな貴様の身体を蝕んで 耳元舐め上げ 囁き出す
縊木(くびりき)に吊るした 顔無し巫女は
犯された 地上をケラケラと高笑う
「聳(そび)える 漆黒の闇夜は貴様等が
延々 壊して 即刻 地の獄へと誘いませう」
唇 掻き毟って 鈴虫徘徊・・・
腐った 蜩の躯は小鵞鳥笛(オカリナ)の様に鳴り響く
逃げれや・・・ 逃げれや・・・ 逃げれや・・・ 逃げれや・・・
逃げれや・・・ 逃げれや・・・ 逃げれや・・・ 逃げれや・・・
逃げれや・・・ 逃げれや・・・ 逃げれや・・・ 逃げれや・・・
逃げれや・・・ 逃げれや・・・ 逃げれや・・・ 逃げれや・・・
・・・・・・蜩が泣き止む前に・・・・・・
暑さで溶け出した 貴様の蝋燭は爛れて 敷き詰めた 蟻に掛かるわ
笑い声出す 蜩は自分の命日に気付かずに
縊木から落ちて 茨の棘に刺されて 尚・・・高笑う
縊木(くびりき)に吊るした 顔無し巫女は
犯された 地上をケラケラと高笑う
「聳(そび)える 漆黒の闇夜は貴様等が
延々 壊して 即刻 地の獄へと誘いませう」
唇 掻き毟って 鈴虫徘徊・・・
腐った 蜩の躯は小鵞鳥笛(オカリナ)の様に鳴り響く
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