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カナリア
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作詞 鬼之子 |
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歌を唄い終わった瞬間に虚ろな空を眺めていた
気持ちとは裏腹な表現は惑わされて黙り込む 鴉達
何気無く云った言葉の棘が後先知らずに堂々と
私の声は掻き消してしまっていた
あの空はどれくらい 時を過ごしてきたの?
涙で前が見えないほど悲しみを音色にして
どんよりした雲に嬲られて 傷付いた羽根は捨てなさい
そうしたいけど出切るわけない 亡くしてしまうと私じゃないから
上を向いたまま 涙を落とさずに ただあなたを待っていた
「今宵、満月はあなた様を罵りあげるでしょう」と
あの空はどれくらい 時を過ごしてきたの?
声が嗄れるほど叫び続けている 臆病なんでしょう?
何時も何処かで嘲笑いながら傷付いた小鳥を罵っていた
何で願うの? 叶うわけない 平和と言う枷は必要(いら)ない
あの空はどれくらい 時を過ごしてきたの?
羽根は少しも休まないまま 私と一緒に破られて
あの空はどれくらい 愚かな行為に犯されたの?
紅潮した羽根は一本ずつ 命を宿していたのに
孤独な空に話しかけても少しも笑う事は無かった
「何時までもやってなさい」と白雲の喚き声は
茫漠に散った光の粒
歌を唄えないカナリアはずっと誰かを見ていた
卑怯なほど純粋な羽根はずっとずっとあの空を見ていた
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