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下弦の月船
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作詞 鬼之子 |
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紫色した薄暗い空に浮かび行く銀の川上に
浮かべては沈み行く 下弦の月船を
声と希望を失った人魚が
『思いを攪拌した 貴方を何処に連れていくの』
どれ位いるのかしら?
隔絶に怯える蟠り 貰った然るべき行為を
踏み躙って 催いには興味はない
貴方にも興味はない
明日を夢見る子供達を見守るより
昔を嘆き続ける大人達が悪(にく)い
下弦の月船は幾多の刹那を乗り越えて
欠けていくその心をけして捨てようとしなかった
もう二度と戻らないそれでもいいなら
お逝きなさい あの空はその為にあるから
空に行く 私は今から空に行く
脆いこの場所にいるのはもうどうでもよくなった
雨音が強くなった 夜気の朧雲
今の人達を恰も笑うかの様に
夢を信じ続ける子供達を見るより
今を欲しがる大人達が悪い
下弦の月船は虚ろな人には決して
見せはしない優しさを私にしか見せなかった
もう少し いたいのなら 降りてもいいよと
凪を招き入れ 時間作ってくれたけど
下弦の月船は幾多の出会いと別れを
繰り返し 繰り返し 夜のしじまを渡り行く
もう二度と帰らない それでもいいなら
お逝きなさい あの空はその為にあるから
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