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旅人〜三幕・村娘〜
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| 作詞 蟻蛾 心 |
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ある日小さな村に訪れた 片手を失った旅人がいた
私は旅人に尋ねました ｢何故旅をしているのですか？｣
愚問と分かってても 聞いてしまったけれど
少し照れたように笑って こう答えました
｢世界の端っこを見てみたいんだ
だけどそれは表向きな理由って知ったよ
本当は自分に何が出来るか試してるだけ｣
遠い向こうの空を見つめながら語ってくれた
蒸し暑い砂漠を越えた話 広大な海原を渡った話
私は旅人に尋ねました ｢帰りたいとは思わないのですか？｣
俯いて唇を かみ締めて顔を上げて
悲しそうな瞳で笑って こう答えました
｢帰りたいけど 今すぐ帰りたいけど
だけどそれをしたら僕は帰れないんだ
旅が終わるまで 終わらないかもしれない
それまでは僕は帰らないと誓ったんだ｣
旅人は旅路をまた進もうとする
手を振って｢頑張って｣って叫んだら…
後ろ向きのまま立ち止まり
右手を大きく掲げて叫んだ
｢頑張るよ｣とただ一言だけ言って
再び道を歩いていった旅人がいました
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