|
|
|
葦
|
作詞 コハル |
|
手渡された暗い曲をまじまじと見つめた。
相手は善意で渡したのだろうが
僕は今すぐ捨ててやりたかった。
青いパッケージにその曲は落とされていた。
捨てることもかなわず、その勇気さえないまま
僕はただくるくると回転させる。
鉄道の歌は、CDから絶えず流れる。
僕に、何を言いたいのかもわからないまま。
僕らは、空から墜ちてくる言葉たちに
嘆きも、哀愁も、求めてはいないのだろう。
全ては幸せに、なるが為に聴いているのに
哀しさを押し付けるのは迷惑なだけだ
目の前に落ちてる、全てのことを
拾えぬまま、歩いてきたから
愚かと呼ばれても否定することは出来ないのか。
鉄道の歌の終わりを告げて、ギターが止まる。
わからないことは全て、肌で感じた。
僕らは、同情などと無縁でいたいのだろう。
幸せや、愛情のそばに寄り添いたいから。
それでも、出会えないと頼りきってしまうだろう。
それほど、人とは弱く脆いのだから。
人は人間は考える葦というけれど
葦ほどの強さを僕らは持てているのだろうか。
僕らは、空から墜ちてくる言葉たちに
嘆きも、哀愁も、求めてはいないのだろう。
全ては幸せに、なるが為に聴いているのに
哀しさを押し付けるのは迷惑なだけだ
それでも人は哀愁に頼ってしまうのだろう。
僕らは寄り添ってこそ、生きていけるのだから。
哀しい曲は何時しか応援歌になる。
そしたらそのときは、心から好きになってやりたい。
|
|
|