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山夏の印象
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作詞 野馬知明 |
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それは盛夏の夏、真昼間
ギラギラ茂る草いきれ
潺清く、一輪の花弁を微かに震わせ
ローリング・ストーンを弄ぶ
山風はひと戦ぎ立つ
爽やかに、むっとするような男の体臭
さっとひと掃き、樹間の微風
留鳥鶯の姦しい
静謐に潜む谷間に木霊
遡上する瀧の騒めき
飛沫を結んで消し去る
苔むす巌に染み入る蝉
蜻蛉は草の秀
山蟻の空蝉運び
白夜の女の怪しい薄化粧
百面相のように燦然と媚びを売る
冷たい男の溜息が心地よげに
恥じらうような陽光の煌びやかな盼
奮い立つ男の息吹が苦し気
喘ぎ悶えて女を待っている
草花の香りの喧噪と犇めき
・・・それは山夏の印象
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