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谷根千流離
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作詞 野馬知明 |
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谷根千地図を訳もなく
スーツケースに詰め込んだ
団子坂から三味の音が
耳に絡まる除夜の宵
旅立つあたしにこの町で
立った噂の染み付いた
古びた地図がなんになるのさ
黄ばんだ恋に火をつけて
谷中の墓地で灰にした
五重塔の焼け跡に
雪のちらつく朝まだき
逃げてくあたしにこの町が
陰で囁き指を差す
古びた恋がなんになるのさ
愛の燠火の燃えかすを
上野の森でばらまいた
西郷さんの肩先を
鳩が飛び交う昼下がり
去ってくあたしにこの町で
未練がましく縋り付く
古びた愛は足手まといさ
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本作品の著作権は作詞者に帰属します。
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