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短編集3「24h」「大都会の果てに」
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作詞 マルC |
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24h
冴えない物置の中で
暮らしていましたとさ
買えないものが幾つもあるって
言い訳に過ぎないとさ
見慣れた公園
見慣れた赤い屋根
コンパスを片手に握りしめ
何処にも行けずに
淀んだ河川敷を
ぼやっと眺める
プランターの花は今日も芽吹かないね
隣の犬はいつからか吠えないね
ありふれ過ぎた街が少しずつ変わってゆく
路地裏の狭い屋根の下
狭い空を眺めるのはもうゴメンだ
狭っ苦しい部屋を飛び出して
もっともっと大きな海原へ
大都会の果てに
聳え立つビルの大きさに
圧倒されて新しい生活の幕が切れた
いつになく遠い雲と
どことなく青い空だけは覚えてる
意地悪で煌めいた未来が潜む
異様な街で今日も息をする
大大大大大都会の
果て果て果て果て果ての果てまで
見渡せるような摩天楼の屋上で
怖くてもいじけず諦めず
精一杯のモットーを叫べ
意味のない物語でも
きっと何かの糧になるから
生活を紡いでゆくんだ
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