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さよならムーンライト
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作詞 と或る |
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呼び合う通信手段はありあまっていた。それがどうだろう。そんなもんなの?
僕には僕の言い分が。あいつにはあいつの言い分があって。
折り合いというベクトルは最早無かった。
宛てがう添え木すら意味もない位に傷ついて傷つけて今があった。
間もなくその日々も想い出と化すから。
「さよなら」
「さよなら」
さよなら、ムーンライト
闇に吸い込まれるように
最後は、最後は、さよなら
桜連れ立つ列車へ
約束も、花束も、全部。束ねたもの、全部。ばらばらにして。
俯いて、又別れを告げた
寄せて返す波に足を浸したって攫われぬ身も心もここにあった。
やるせない疲労をせめて流してくれたら。
「さよなら」
「さよなら」
さよなら、ムーンライト
闇に吸い込まれるように
最後は、最後は、さよなら
桜連れ立つ列車へ
「さよなら」
「さよなら」
さよなら、ムーンライト
今頃眠りに落ちたろう
何度も、何度も、繰り返した
まるで謝るように
扉を隔てたあのときに
久しぶりに向き合えた
手を伸ばしかけ、躊躇うふたり
始点が終点になる
さよなら
さよなら
さよなら、ムーンライト
街が寝静まっても
何度も、何度も、繰り返した
君を忘れるように
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