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メロンソーダ
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作詞 やまごや |
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「空が緑色だね」って、夏に言ったような気がした。
思い出せない記憶に手を伸ばしても悲しくなるだけだ。共に過ごした日々を忘れていくだけだ。変わりたくないって思うだけで無駄な事で、周りは常に変わる事だけを求めてる。思い出に依存して明日がいつも嫌いで、“戻れたら”なんて叶わぬ願いしか叫べない。
また雨が降るから思い出だけは冷やさないように、僕は思い出すようにしてるんだ。いちいち感じる切なさは涙が出るほど愛おしくて。最後の夏は夢の夏。ひたすらに儚く崩れてしまう。君に恋をした夏だった。
下らない事でしか笑えない僕らがあの時は確実にいた。今の僕は愛想笑いが上手くなってしまっているのに。湿った風が通るだけで悔しさが滲むんだ。全てにピリオドが打たれた事を思い出して。知った悔しさは代えられぬ思い出だけど嬉しい事は何事も無かったように去っていく。
また雨が降るから思い出だけは冷やさないように、僕は感じるようにしているんだ。わざわざ感じる悔しさに憂いをいつも抱いてる。最後の夏は風の夏。気まぐれに過ぎて悲しませる。僕ら別れの夏だった。
そうだ
「空が緑色だね」ってメロンソーダ覗きながら言ったんだ。夏っぽい事をしたかった僕らはこの坂の下で。
雫に“その時”が冷やされる事も分からずに僕ら忘れたくない事作り出したんだ。“青春”とだけでは表せない思い出を。
また日々が過ぎるから思い出だけは忘れないように。思い出すようにしてるんだ。一口に感じたこの味は確かに僕の夏だった。最後の夏は夢の夏。“知りたい”だけを思わないように。僕は夏に恋をしていた。
ああ、メロンソーダが無くなった。
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