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懐かしきアルバムのひとり言
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作詞 悲喜仔 |
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「あの頃はあたしもさぁ、夢ばっかり追いかけてたよ」
近所の奥さんと一緒に、
ダイニングテーブルで醤油煎餅かじりながら
けらけらと笑う。
気付きたくない。
自分の中に、何もないなんて。
世界がわたしを
「どうでもいいちっぽけな生物」としか
見てないなんて。
彼氏いない歴イコール年齢ですが、何か?
そりゃ死ぬまでには一回ぐらい、
誰かに好かれてみたいナーとか思ったりはするけど。
くだらない話で笑ってる最中ふと目が合ったってだけで、
それを思い出に幸せな気分になって
生きてこれてますけど、何か?
わかりたくない。
自分じゃ世界を変えることが出来ないなんて。
頂点にも異端にもなれないなんて。
若いからなんだってんだよ。
「いつかきっと」は聞き飽きたよ。
可能性は無限じゃない。
それでも70%の成功率に甘えてたら、
気付いた時には5%未満になってる。
悟りたくない。
求めていたものが幻だなんて。
走っていたことが愚かだなんて。
残酷だね、
炭水化物の破片を払いながら、
三段腹を震わせて、
今のわたしを笑ってあしらう。
過去を見下してんじゃねぇよ、
え?「未来さん」よ。
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