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命を与えた死神
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作詞 ヴォノ |
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野原に咲く花を人々が撫でる 「春の日」
野原の隅にいる 誰にも気付かれない一輪
「友だちが欲しい 愛されたい」
孤独なその花に 孤独な男が魅せられた
男が毎日会いにくる 「夏の日」
初めての友だちを夢中で愛す 一人と一輪
「花は散るから美しい そして人間も」男は言う
日が暮れるまでおしゃべり 毎日おしゃべり
友だちなんて当たり前になった 「秋の日」
自分は花なんだから 花の友だちが欲しくなった
「ちがう友だちが欲しい…」口にしてしまった一輪
…傷ついた男は もう会いに来てくれなくなった
仲間たちが倒れる 「冬の入り口」
久しぶりに来た男 手に持った大きなカマ 彼は死神だった
「嫌いになったからじゃない。仕事なんだ」
謝る死神 だけど花は 最初から 知っていた
「生まれ変わったら みんなに愛されたい」
カマを振り上げる死神に 花は願う
「…お前の願い 叶えてやる」
カマを振り下ろした死神は その後 こっそり 泣いた
死んでしまった花の周り 死神が掘り起こす
友との約束 友へのプレゼント
また春が来て 花が咲き誇る原っぱ
去年と違うのは 隅に咲き乱れる「彼ら」
群れになった彼らは みんなに気付いてもらえる
愛してもらえる
群れになった彼らは 孤独じゃない
花どうし みんな友だち
あの日死神が植えた種が 命を咲かせた
死神がはじめて命を与えた物語
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