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SHOT BAR
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作詞 工工声 |
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さあ何から話そうか そう言って話し始めてみた
会話の延長線は 見えているようで見えていない
グラスの氷はみるみるうちに 弱く小さく溶けていくばかり
口紅の色が変わったね
香水の匂いも変わったね
そんなこと今更どうでもいいけれど 帰りたくない 長い夜
視線を落としてみれば 指にはうっすらリングの跡
目に見えている物から こうして消えていくのだろうね
タバコは冷えて灰だけが積もる 火の粉は二度と舞いそうにもない
唇を見つめても無駄よ
吐息を香らせても無駄よ
昔とは違う夜だと知っていて 誘っている 下心
おもむろに遮られた 目配せや笑い話
何一つ縮まらない 近い距離の遠い場所
あなたと言うか 心と言うか 何と言うか
口紅の色が変わったね
香水の匂いも変わったね
そんなこと今更どうでもいいけれど 帰りたくない
お別れの言葉を探して
サヨナラの一言も出ない
いつまでも別れが言えない女々しさを あなたはずっと 嫌っていたね
そんなこと今更どうでもいいあなた 長い夜が 去ってゆく
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