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芯味
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作詞 条峙 |
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簡単なサラダを作り終わる頃になって気づく
三角コーナーに入れそうになったレタスの芯
少しもったいなくなって水洗いしてかじってみる
なんにも響いてこない無味乾燥が口に広がった
きっと僕の芯もこの味なんだろう
知識や体裁で武装しても変わらず
かじって中を割って見ても真っ白で
感覚や感じ方はひどく単純なまま
しばらく会ってない君のエプロン姿を思い出す
野菜を炒める僕の横で味つけしてかじった
無邪気な笑顔につられて口に含んだその味は
コショウの効いた僕の好きな手料理の味
きっと僕の芯はこの味を選ぶだろう
葉っぱや枝の部分じゃない根っこでも
君の手にかかったならいとも容易く変わる
生まれながらの感性までも変えてしまう
いろんなことを学んで悩んで歯を食いしばって手に入れた
でも芯にあるのはひどく単純なこと
だって僕らは動物だから
きっと僕の芯は変えられるんだろう
大好きな君なら驚くほど簡単に
手料理が食べたいって口実で連絡しよう
そしてまた食べることができたなら
笑えるほどかしこまって「おいしい」って言おう
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