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雪だるまの歌
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作詞 条峙 |
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昨日の夜 僕の材料が降ってきて
今日の朝 僕はこの世に生まれたよ
公園に散らばった結晶をコロコロとくっつけて
頬を赤くしハアハア息途切らせ僕を作ったご主人様
細めの枝でできた眉毛 八の字で困ったような顔になった
大きめの枝でできた両手 先っぽに手袋をつけてくれた
僕とご主人様だけの、それはそれは大切な時間
昨日の夜 僕の材料が降ってきて
今日の午後 僕はあの世に逝くのかな
顔を出した太陽が優しく僕の体を焦がす
片手が取れて手袋が落ちた 目も鼻も眉も取れそうだ
僕を作ったご主人様 今はどこにいるのかなあ
僕の大好きなご主人様 死ぬ前にもう一度会いたいなあ
両手が取れた 片手が取れた 顔が削れた 背が縮んだ
ただ死を待つだけの僕だけど、ご主人様の幸せを願って―
ご主人様がやってきた 頬と鼻と目まで赤くして
僕が死ぬから泣いているの?その目から零れ出した涙
それは溶けた僕と同じ色、それはそれは綺麗な色で
僕は生まれてきて良かったと思ったよ
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