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タレントの苦労
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| 作詞 条峙 |
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軍手をつけ忘れた右手で 開けていたファンレター
その中に一通の不自然な文字で綴られた封筒
なんの不安も抱かずに 開けようとしたその時
刃渡り5cmのカッターが僕の指先を貫いた
「この世はいい人ばかりじゃない」そんなこと昔から
知っていたはずだけど ハエのような人間からの行為で簡単に
体に傷が刻み込まれた
マネージャーが点検する前に こっそり見たコメント欄
とりとめない一日の報告に同調する文字の中
見つけてしまった黒歴史を晒し上げ吼える批魔人
ありがたい応援メッセージよりも深く刺さる文字のナイフ
「この世はいい人ばかりじゃない」そんなこと昔から
知っていたはずだけど ハエのような人間からの言葉で簡単に
気分が黒ずみ沈んだ
顔も知らない誰かに2chで散々バカにされて
名前も知らない誰かの根も葉もない噂がまかり通って
会ったこともない誰かが仕掛けたカッターで指を切って
自分だけじゃなくファンの子まで、キ○ガイ扱いされて
ゴキブリにしか思えない人間でも、お客様扱いして
けれどそれが 有名人になるってことなんだ
幾度も繰り返される匿名からの攻撃に自分を殺して対処して
涼しい顔してファンにお礼を言うけど心の中には悪口が残っててさ
今日も失言を待ち構えるリスナーを相手にラジオの生放送
うっかり素の自分を出せば全否定されるのにトークをする
それがタレントだから
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