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スチール・アームズ
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作詞 紗散 画宮 |
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右腕を轢いたダンプが視界から消えた
とりあえずキミに怪我は無かった
砂嵐に埋もれた意識の隙間で
傷口は堪えず何かを吐き出していた
どれくらい時間が経ったろう
白衣のおじさんは これだけ言う「ダレニモ フレルナ」
壊してしまう 壊してしまう
有機の上に根を張る 無機の怪物
壊してしまう 壊してしまう
優しさを伝えられない 掌を呪う
トイレだと言って飛び出した部屋の前で
面会謝絶は今日も右肩下がり
誰もいない白の世界 大きな鏡
昨日より少し隈が濃くなってる気がした
伝えたくて 滑らせた十円玉
なんとなく取った受話器の断末魔を聞く
壊れてしまう 壊れてしまう
ぶら下がる下半身は声だけ届ける
壊してしまう 壊してしまう
悲しく添えた頭に少し血が滲む
見舞いだと言う キミはすぐ後ろに
立って僕の情けない背中を見ていた
「ごめんなさい」「やめてくれ」「私のせい」「近づかないで」
ああ、触れないで
壊してしまう 壊してしまう
有機の上に根を張る 無機の怪物
壊してしまう 壊してしまう
優しく合わさる 愛しいひとの手さえも
ひしゃげてしまう ひしゃげてしまう
苦痛に歪むキミの目に涙が滲む
「これで一緒だね」って
キミはそんな顔のままで 笑み呪われる
怪物は二人 指を絡め愛を誓う
誰も壊さぬように
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