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キュートな吸血鬼
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作詞 紗散 画宮 |
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どう生きたいか 希望調査の紙と
睨み合ってしばらくだが 答えは纏まらないもんでね
友達は口を揃えて 「分からない」を並べ倒して
時間が勿体ないので 部屋を出た
照りつける5月の太陽 目下 時間通り
そいつは木陰から現れた
まだ僕に気付かない君は 蝶々を追っかけて
幸せそうに人間を演じてた
キュートな吸血鬼は
白昼の直中を駆け回って
僕をちょっとでも見かければ
首筋にかじりついてくんのさ
止めてってかわす度に
「同族嫌悪?」って聞くけれど
勘違いしないでよね
まだ僕はこの通り人間さ
今日は何してたの 「音楽鑑賞だよ」
彼女は機械音痴だが 僕のウォークマンは無事なんだろうかね
彼女は陽気にワンピースを翻して
ブンブンと振り回す そのイヤホンは何奴だ?
丘の下り坂 キミの鼻歌メロディの
容量が気になった 午後1時半
キュートな吸血鬼は
聞き入った僕にそっと振り向いて
満面の笑みでもって
首筋にかじりついてくんのさ
油断も隙も無いね
「影も寿命もありゃしませんよ」って
もうヒヤリともしませんよ
僕が恋したナニカは嘘つきさ
辿り着いた我が家の玄関で
君はお目々を回してぶっ倒れてさ
華奢な吸血鬼は
太陽とは特別仲良しだが
されど吸血鬼だから
空腹を感じるときもあって
やれやれなんて言って
内心ヒヤリとしてしまった僕は
いつも通り いつも以上に
君に深く口づけをするのさ
キュートな吸血鬼は
僕の下唇に犬歯を立てて
一滴を飲み干せば
たちまち元気に戻ってるのさ
またニコリと はにかんで
「同族嫌悪は?」って聞くけれど
勘違いしないでよね
君を嫌いになんかなってやるか
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