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A color of the War
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作詞 T_Kamm |
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少年は絵を描いた、目の前に広がる風景の
茶色く変色したような白紙には
大きな乗り物と灰色の人間であふれて
赤い絵具が斑模様に描かれていた
正義が白くて、悪が黒いなら
どうして人は灰色なのかと少年に尋ねると
それは、白でもない黒でもない
不完全な存在だからだと、煤けた顔で言った
絵を描いた少年の絵に
ひとつ、絵具を持った少女が
祈るように丸く絵を塗りつぶそうと
けれど、それは写らなかった
少女はいつしか泣きだしていた、ただ
黄色い大きな太陽を描こうと必死だった
降り注ぐのは砲弾の雨、漂う空気は異臭を放つ
何かを祈る人々に向けられるのは黒い筒
聞こえる叫び声は、誰に届くのか
少年は絵を握りしめたまま横になって
囁くようにつぶやいた
人が灰色なのは、白でもなく黒でもないから
いつか、「ひとつ」になれるからと
黄色い太陽が写らないのは
人が愚かさに気付かないからと
そして、少年は静かに目を閉じた
ここから未来(さき)、生まれる命に
黄色い太陽の光が差しこむように祈って
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