|
|
|
パレット
|
作詞 もちだほうすけ |
|
誰かが俺の名前を呼ぶ
誰がなんてわかる筈もないけど
誰かが俺の名前を呼ぶ
何のために呼ぶのかさえわからないけど・・・
恨みを買うのは慣れていた
人を怒らせるのが特技で
特に気にもしなかったけれど
そのたびに人を傷つけていた
泣きすぎて孤独に打ちひしがれ
雲を画用紙に絵を描き始めた
涙の雨が雲を溶かして
描いた薄い絵の具の歴史は消えてゆく
色とりどりの自分だけのパレット
消えた絵はもう戻ってこない
絵筆を空に滑らせて
俺は今日も残らぬ絵を描く
絵を描くのにも疲れた頃
不意に誰かの声が聞こえた気がした
驚いて振り返ると
小さな女の子が俺を見ていた
「綺麗な絵だね」 純粋な言葉
初めて触れた温かさ
零そうともしなかった涙が
絵具の色を薄めていった
色が消えてく自分だけのパレット
描いた絵の傷痕さえ
柔らかな瞳の風に
俺は今日で終りの絵を描く
帰らない時間さえ
握りしめ続けたまま
俺はずっと永遠の絵を描く
虹の滲む水彩画
|
|
|